花王ロゴから「月」が消えた怖い理由とは!?マークの由来と未来構想
花王のロゴから月のマークが消えたと、インターネット上で
驚きの声が上がっています。
もともと2009年には、グループ全体を表すロゴからは
消えていたそうです。
2021年10月から「自然と調和する こころ豊かな毎日を
めざして」から「きれいを こころに 未来に」へ企業スロー
ガン変更を機にロゴを変えたそうです。
なぜ月なのか
月のマークは創業当時から使われてきているそうですが、
なぜ月のマークなのでしょう。
月のロゴマークは、創業者の長瀬富郎さんが考案したもの
が基になっているそうです。
花王は長瀬富郎さんが、1887年に設立した洋小間物商
・長瀬商店が母体になっています。
その長瀬商店で扱っていた輸入鉛筆に月と星のマークが
あり、それをヒントに最初の月マークができました。
長瀬富郎さんは、当時質の悪い国産石鹸か、高価な輸入
石鹸しかない時代に、高品質の国産石鹸を作りたいという
思いから国産石鹸の開発に着手しました。
「顔をきれいに洗う」というところから、「花王」
と言う文字を当てたのが社名の由来になりました。
1890年に花王石鹸が発売されたときに、美と清浄の
シンボルとして月のマークが使われ、以来高品質の象徴
として現在に至っていました。
ロゴマークの変遷
最初のロゴマークは、現在と違い右側をむいていました。
口から漫画のような吹き出しが出ていて、中に「花王石鹸」
の文字がデザインされていました。
リアルな男顔をしているので、改めてみるとちょっと怖い
かもしれません。
その当時のキャッチフレーズが「月のマークでおなじみの
花王石鹸」だったので、花王=月というのを印象付けようと
していたのかもしれません。
1912年、この年に長瀬商会は「合資会社名長谷商会」
になりました。
ロゴの方も吹き出しがなくなり、月だけのデザインに
なりました。
何か言いたげな表情なので、「叫ぶ三日月」とも呼ばれて
いたそうです。
1925年「花王石鹸株式会社長野商会」という株式会社
になった際、月の表情が笑顔に変更されました。
1943年、右向きだった顔が左向きに変更されました。
右向きの月(下弦の月)はだんだん欠けていくので、
これから満月に満ちてゆく左向きの月(上弦の月)に
した方が縁起がいい、というのが理由だそうです。
1948年、この頃から顔が男性から女性へ変わりました。
デザインも三日月だけでなく、円形のシルエットに
なっています。
製品や広告にロゴを使ったときに、三日月だけでは印象が
弱かったためだそうです。
1953年、戦後になり製品の品種が増え、女性向けの
物も多く発売されるようになりました。
そのため月のマークも、消費者に親しみと信頼感を持って
もらえるよう子どもの顔になり、色もオレンジに変更され、
今と同じデザインになりました。
1985年、「花王株式会社」へ社名変更され、キャッチ
フレーズも「清潔で美しく健やかな毎日をめざして」に
変わりました。
カラーリングも、新鮮で躍動感のある色ということで、
オレンジからグリーンへ変更されました。
月をつかわなくなったのは
2009年から花王のキャッチフレーズが「自然と調和する
こころ豊かな毎日をめざして」に変わりました。
この時、グローバルな企業イメージを印象付け、さらなる
成長を目指す意味で、社名表記も「kao」に変更されて
います。
また、2021年からは「きれいを こころに 未来に」に変って
います。
花王石鹸は、輸入化粧石鹸に負けない品質のものを身近な
多くの人に使ってもらいたい、という思いからつくられた
商品でした。
その際、「美と清浄」を表すシンボルとして使われたのが
月のマークです。
社会環境の変化とともに、従来の「個々の毎日」から
「全体の未来や自然」に向けた取り組みに変化する中で、
月のマークも役目を終えたのではないでしょうか。
まとめ
花王のロゴから月のマークが消えたのは、企業スローガン
変更を機にロゴを変えたからだそうです。
そこには、ただのスローガン変更だけでなく、一つの想いの
達成で役目を終えるものと、より成長を目指す未来への
想いがあるのかもしれません。